Update:22/10/01

  栗の渋皮煮
バージョン 時短バージョン こだわりバージョン

はじめに

 
  渋皮煮のレシピは、ウェブにたくさんありますが、栗の状態や調理器具の大きさなどで、実際の調理法が違うようです。
そこで、備忘録としてこのページを作りましたので、一般的なレシピではありません。
自宅で採れた生栗を使っていますので、市販の栗の場合には当てはまらないかもしれません。
  • ポイント1:渋皮を乾かさない。常に水やお湯に浸しておく。
  • ポイント2:刃物や竹串などは、表面に平行に当てる。(接線方向)
  • 所要時間:鬼皮の処理から瓶詰め・殺菌までの時間で、40粒を処理する場合の目安で、休憩時間や放置時間は含みません。
バージョン 時短バージョン【4時間30分】 こだわりバージョン【6時間30分】
  一度にたくさんの栗が収穫でき(100粒以上)、処理が追いつかないときの方法です。
渋みを取り除いて食べられるようにします。
収穫量が比較的少ない(50粒以下)ときの方法です。
渋皮の処理を丁寧にして、味も外見も一段上を目指し、より美味しく仕上げます。

道具

 
 
  • 魚の骨抜き
  • 鍋…アルミ以外のもの(パスタ鍋のようにかごが付いているパスタ鍋が便利)
  • かご…渋抜きと灰汁抜きのときに使用(パスタ鍋なら不要)
  • ボウル…渋皮の筋やワタを取ったあと水に浸すため
  • ざる…流水の下に置き、筋やワタを受け取り、シンクの排水口の汚れを防ぐため
    (三角コーナー用の水切りネットを併用)
  • 竹串…筋が取りにくいときに使う(自作したら効率が上がりました)
   
  • スロークッカー

材料

 

生栗

渋皮が乾いていない、新鮮なもの

砂糖

グラニュー糖やてんさい糖など(てんさい糖は味が良いですが、コスト高です。)

木灰汁

木灰汁または重曹(重曹のほうが手軽ですが、適切な濃度がわかりません。)

鬼皮の処理

(30分)
 
  • 魚の骨抜きを使って、頭の方から丁寧に剥いていく。おしりの部分は無理には剥かない。
    (刃物は使いやすいもので構いませんが、刃を栗に接するようにすると、渋皮が傷つくのを防ぐことができます。)
 
 
  • 剥いた栗は、すぐに水に浸して乾燥を防ぐ。
  • すべて剥き終わったら、一晩灰汁に浸す。

渋皮の処理

 

1回目

(50分)
 
  • 前日に浸した灰汁から栗を取り出し、昨夜の灰汁は捨てる。
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで灰汁を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、10分間茹でる。
  • 鍋に水を加えて、温度を下げる。(いきなり引き上げると、渋皮が敗れることがあります。)
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。
 
 
  • おしりの部分を丁寧に剥がす。
    (太い筋に繋がる部分を最後に剥くようにすると、太い筋もきれいに取れます。)
 
 
  • 流水の中で、親指の腹や手のひらでこすって、「わた」や筋を擦り落とす。
  • 渋皮がひどく破けたものなどは取り除く。
  • 処理した栗は、順次水を入れたボウルに入れる。
 

2回目

(40分) (2時間40分)
  (1回目と同様)
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで灰汁を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、10分間茹でる。
  • 鍋に水を加えて、温度を下げる。(いきなり引き上げると、渋皮が敗れることがあります。)
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。
 
 
  • 流水の中で、親指の腹や手のひらでこすって、「わた」や筋を擦り落とす。
  • 取り切れなかった筋を、竹串などで取り除く。
  • 渋皮がひどく破けたものは取り除く。
  • 処理した栗は、順次水を入れたボウルに入れる。
  • 流水の中で、親指の腹や手のひらでこすって、「わた」や筋を擦り落とす。
  • 取り切れなかった筋や色の濃い部分を、竹串などで取り除く。
  • 渋皮がひどく破けたものは取り除く。
  • 鍋に水を加えて、温度を下げる。(いきなり引き上げると、渋皮が敗れることがあります。)
  • 処理した栗は、順次水を入れたボウルに入れる。
 
 

3回目

(10分)
  (2回目と同様)
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで灰汁を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、10分間茹でる。
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。
 

あく抜き

栗についた灰汁(重曹)を落とす。

1回目

(15分)
 
  • 渋皮が少し破けているものは、お茶パックに入れる。(一袋に2個が収まりが良いようです。)
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで水(お湯)を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、5分間茹でる。
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。

2回目

(10分)
  (1回目と同様)
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで水(お湯)を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、5分間茹でる。
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。

3回目

(10分)
  (2回目と同様)
  • 栗をかごに入れてから鍋に入れ、栗がかぶるまで水(お湯)を注ぐ。
  • 少し泡が出てきてお湯の表面が揺れるまで加熱する。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、5分間茹でる。
  • 栗をかごごと取り出して水にさらす。

加糖

(50分) (70分)
 
  • 鍋に栗を入れ、水をひたひたに注ぐ。
    (注いだ水の量を量っておく)
  • 加えた水の重さの90〜100%の砂糖を量る。
     90%…栗の風味がよく分かる
    100%…甘さ控えめの和菓子
     
  • 1/3のグラニュー糖を加える。
  • 火力を調整しながら、お湯の表面が揺れて栗が踊らない状態を維持して、10分間加熱する。
     
  • 一旦火を止めて、さらに1/3の砂糖を加える。
  • さらに、同様の火力で10分間加熱する。
     
  • 一旦火を止めて、残りの砂糖を加える。
  • 最後に、同様の火力で10分間加熱して、火を止めて自然に冷ます。
  • スロークッカーにお湯(時短のため)を入れる。
    20粒…600mL、30粒…800mL、40粒…1000mL
  • 入れたお湯の重さの90〜100%の砂糖を量る。
     90%…栗の風味がよく分かる
    100%…甘さ控えめの和菓子
     
  • 1/3のグラニュー糖を加える。
  • スロークッカーを「強」にして、フツフツと泡が出るまで加熱する。
     
  • スロークッカーを切って、さらに1/3の砂糖を加える。
  • スロークッカーを「強」にして、フツフツと泡が出るまで加熱する。
     
  • スロークッカーを切って、残りの砂糖を加える。
  • スロークッカーを「強」にして、フツフツと泡が出るまで加熱すし、スロークッカーを切って自然に冷ます。
  長期保存する場合には、冷めないうちに瓶詰めする。 長期保存する場合には、冷めないうちに瓶詰めする。

その他のメモ

 

失敗談

 
 
  • 多くのレシピでは、「強火」とか「弱火」とか表現されているので、炎にばかり気を取られて失敗しました。
    湯面と栗(具材)の様子に注目するとうまくいきます。火加減の参考サイトをご覧ください。
  • 収穫してすぐに処理しなかったので、渋皮が乾燥して処理に苦労しました。

課題

 
 
  • 渋抜きには 灰汁 を使っています。重曹のほうがが手軽だと思いますが、適切な濃度がわかりません。
    濃すぎるとグチャグチャになって崩れてしまい、薄すぎると余分な渋皮が取れません。
    試行を繰り返して適切な濃度がわかると、作業が楽になります。
  • 渋皮の処理が進むと、直径1mm以下の小さな虫食いが見つかりますが、原因や対処法が不明です。
  • 実の頭の部分が黒く変色してしまうものがありますが、原因や対処法が不明です。
    細菌によるものかもしれません。

参考サイト

次のサイトを参考にさせていただきました。